海外為替の長所

ブレトンウッズ体制は、その後何度か危機に直面しました。危機の大波は一九六七年のポンド切り下げ、六八年のゴールド・ラッシュ、七一年のニクソン・ショックとたて続けにやって来ました。ポンドの切り下げ(幅は一四・三%)は、英国の国際収支悪化と英国商品の輸出競争力低下がもたらしたものです。それだけ英国経済が弱くなった証拠でした。外国為替市場では、英国経済の先行き不安を見越してポンドを売る動きが活発になり、英国はポンド切り下げに追い込まれたわけです。ポンドが英国だけで流通する通貨であれば、影響もそれほど大きくはありませんが、ドルと並んで貿易決済などに使われることの多い国際通貨だけに、その切り下げは世界に大きなショックを与えました。ポンド切り下げの翌年の六八年にはロンドン、パリなどの自由金市場で、ドルを売り、金を買う動きが激しくなりました。ゴールド・ラッシュと呼ばれる現象です。その直接のきっかけはポンドの切り下げでしたが、ドル売り・金買いが活発になったいちばん大きな原因は、米国の国際収支赤字が続いてドル不安が世界に広がったことです。六八年三月、ワシントンに七カ国中央銀行の総裁が集まり、これまで通りドルと金の交換制度を維持するという声明を発表したため、ゴールド・ラッシュは一段落しました。しかし、その後も米国の国際収支は好転せず、七一年八月に金・ドル交換性の停止を盛り込んだニクソン声明が発表され、ブレトンウッズ体制は事実上崩壊することになったのです。

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